接弦定理
高校数学の範囲なのですが、中学生も知っておいて損はない「接弦定理」
円と接線と弦のつくる角の定理なので、接弦定理という名前がついていますが、
円と接線と、「円に内接する三角形」があるときに用いる定理と覚えるのが良いでしょう。
とにかく図で覚えます。
直線 \(L\) が点 \(A\) で接しているとき、下図のように角が等しくなる。
同じ色の角は等しい。
例1
直線 \(L\) が点 \(A\) で接しているとき、角 \(\angle CAB\) を求めなさい。
解答
接弦定理より、下図のピンクの角\(=\angle B=75°\)
\(\angle CAB=180-(75+40)=65°\)
以上求まりました。
接弦定理の証明
なぜ接弦定理が成り立つのか。
中学生でも簡単にわかります。
円があれば、その中心から補助線を引くのが定石です。
そうすれば、図形的性質が明らかになります。
半径は長さが等しいので、二等辺三角形が \(3\) つできます。
その底角をそれぞれ \(x,y,z\) とおきました。
三角形 \(ABC\) の内角の和より、
\(2x+2y+2z=180°\)
より、
\(x+y+z=90°\)
が成り立ちます。
また、\(OA\) と \(L\) は垂直です。
よって、下図のピンク色の角の大きさは \(y+z\) であり、等しくなります。
左側の角も同様に示せます。
例題1
下の図において、
\(AB=10cm\) の長方形が円に内接している。
角 \(BAE=60°\)
のとき、この円の面積を求めなさい。
解説
接弦定理を知らなくとも解けるのですが、
角 \(DCB\) が直角なので、\(BD\) は円の直径です。中心を \(O\) とします。
もし接弦定理を知っていれば、角 \(BAE=60°\) なので、\(O\) から \(A\) への補助線なしで、下図のように角が求まります。
\(AB=10cm\) なので、\(BD=10×\displaystyle \frac{2}{\sqrt{3}}=\displaystyle \frac{20}{\sqrt{3}}\)
より、円の半径は、\(\displaystyle \frac{10}{\sqrt{3}}cm\) です。
よって、円の面積は、\((\displaystyle \frac{10}{\sqrt{3}})^2 \pi=\displaystyle \frac{100}{3}\pi cm^2\) です。
接弦定理なしならば
円の中心と接点を結び、接線との角が直角であることから解きます。
結局は接弦定理の証明と同様の図形的考察をするのです。
スポンサーリンク