立体の表面の最短距離
立体の表面を結ぶ線分を考えるとき、展開図をかいて考えます。
重要な解法テクニックであり、必ず暗記しておかねばなりません。
例題1
下の図のように、底面の半径が 4cm で、母線の長さが 24cm の円すいに、底面の点 A から側面を通って 2 周糸をまきつけた。糸の長さが最も短くなるとき、 OB 上の点 P 、OA 上の点 Q を通った。AB は底面の円の直径である。
このとき、糸の長さを求めなさい。
また、OP,OQ の長さを求めなさい。
解答
糸が 2 周とありますが、図からイメージできますか?
下図で説明すると、
赤色、A から P を通って Q までが 1 周です。
オレンジ色、Q から P を通って A までで 2 周です。
さて、円すいの展開図をかいて解きます。
展開図で考えるということは、暗記すべき解法知識ですね。
糸の通過している面のみをかけばよいので、
底面の円をかく必要はありません。側面のみをかきましょう。
そして、
側面は 2 つつなげてかきます。
赤の 1 周目と、オレンジの 2 周目は、別の側面に作図するのです。
とにかくやり方をみて理解・暗記してください!
側面はおうぎ形で、その中心角は
360×424=60°
より、中心角 60° のおうぎ形を 2 つ並べてかきます。
OA で切り開いた展開図を 2 つです。
組み立てたら一致する場所は同じ点です。
60°、120° の作図は、フリーハンドで練習しておきましょう。
厳密な作図である必要はありません。
正三角形をまず作図するのです。そこに弧をつけ足します。
糸の長さ
A から2 周後の A までを結ぶ最短距離は、一直線です。
よって、まきつけた糸は下図のようになっています。
この図は OA1 を軸に左右対称であり、四角形 OAA1A2 はひし形です。
ひし形の対角線は直交します。このような図形的考察から、AQ が正三角形 OAA1 の高さになっていることがわかります。
よって、 AQ=24×√32=12√3cm
まきつけた糸の長さは、AQ の 2 倍なので、
12√3×2=24√3cm
求まりました。
OQ の長さ
OQ は OA1 の中点です。
上図から明らかですね。
よって、OQ=24×12=12cm
求まりました。
OP の長さ
母線 OB は、点 A と反対の位置にあります。
つまり、、点 A から底面の円をぐるり一周すると A にもどるのですが、そのちょうど半分の地点が点 B です。
つまり、中間地点なのです。
よって、 B,P は下図の位置にあります。
角度について考察すると、三角形 OPQ が、正三角形を半分にした直角三角形なので、
3 辺の辺の比は 2:1:√3 です。
よって、
OP=OQ×2√3=12×2√3=8√3cm
以上、求まりました。
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