問題
①は \(y=-x+12\)、②は \(y=\displaystyle \frac{1}{2}x+2\) のグラフであり、②の上に点 \(P\) をとります。ただし、点 \(P\) の \(x\) 座標は \(-4\) より大きく、\(\displaystyle \frac{20}{3}\) より小さいです。
点 \(P\) を通り \(y\) 軸と平行な直線と \(x\) 軸との交点を \(Q\) 、
点 \(P\) を通り \(x\) 軸と平行な直線と ①との交点を \(R\) 、
点 \(R\) を通り \(y\) 軸と平行な直線と \(x\) 軸との交点を \(S\) とします。
四角形 \(PQSR\) が正方形となるとき、\(P\) の \(x\) 座標を求めなさい。
解説
求めるものを文字でおき、方程式をたてて解く。
これが中学数学の王道です。
この王道の解法をまずはマスターしましょう。
様々な問題で使える万能の解法です。
しかし・・・
それだけで満足しないでください。
「図形的性質を利用する別解」もあります。
とてもとても重要な解法です。
中学数学で、さらなる上を目指すときに立ちはだかる壁が、
この「図形」なのです。
関数の問題においても、座標平面上で図形の問題を解いているだけ、
という側面もあり、図形問題として処理できるかどうかが問われている難問も
存在します。
解法1 座標を文字でおく
\(P\) の \(x\) 座標を求めるのですから、
\(P\) の \(x\) 座標を文字でおく、
というのは自然な発想です。
\(P\) の \(x\) 座標を \(t\) としてみましょう。
すると、様々なものが \(t\) を用いて表せます。
この問題では、四角形 \(PQSR\) が正方形かどうかがポイントなのですから、
正方形のたてとよこの長さを \(t\) で表したいわけです。
下図の赤い線分の長さは、\(P\) の \(y\) 座標からわかります。
青い線分の長さを知るために、点 \(R\) の座標が欲しいですね。
点 \(R\) の \(y\) 座標は、点 \(P\) の \(y\) 座標と等しく \(\displaystyle \frac{1}{2}t+2\) です。
また、点 \(R\) は直線①、\(y=-x+12\) 上の点なので、 \(y\) 座標を代入して
\(x\)座標が得られます。
\(\displaystyle \frac{1}{2}t+2=-x+12\) より、
\(x=-\displaystyle \frac{1}{2}t+10\)
よって青い線分の長さは、
\((-\displaystyle \frac{1}{2}t+10)-t=-\displaystyle \frac{3}{2}t+10\)
赤い線分の長さは、点 \(P\) の \(y\) 座標より、\(=\displaystyle \frac{1}{2}t+2\)
赤い線分と青い線部が等しくなるとき、
\(-\displaystyle \frac{3}{2}t+10=\displaystyle \frac{1}{2}t+2\)
これを解いて
\(t=4\)
これが求める点 \(P\) の \(x\)座標です。
解法2 図形的性質の利用
上のような解法は、うまい解き方が見つからないときに威力を発揮します。
ガツガツと計算さえすれば、答えが求まるのです。
必ず身につけましょう。
この解法とは別に、この問題を「図形的に」解くことも可能です。
座標平面と関数の情報を、図形的に活用するのです。
具体的には、「直線の傾き」です。
この情報を、図形的に利用しましょう。
\(直線の傾き=\displaystyle \frac{yの増加量}{xの増加量}\)
なので、
①の直線の傾き \(-1\)
②の直線の傾き \(\displaystyle \frac{1}{2}\)
は、下図のようになっていることを示しています。
そして、四角形 \(PQSR\) が正方形になるとき、
\(QS=t\)
また、 \(y=-x+12\)、 \(y=\displaystyle \frac{1}{2}x+2\) と \(x\) 軸との交点も
求まるので、下図のようになっています。
\(x\) 軸で \(-4\) から \(12\) までの、長さ \(16\) の線分を
\(2:1:1:\) に分けています。
点 \(Q\) はこの線分の中点なので、\(2t=8\) です。
よって、点 \(Q\) の \(x\) 座標は \(-4+8=4\)
点 \(P,Q\) の\(x\)座標は等しいので、
これが求める点 \(P\) の \(x\)座標です。
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