相似な図形の体積比
相似な図形の体積比は相似比の \(3\) 乗の比になります。
つまり、相似比 \(a:b\) の空間図形の体積の比は \(a^3:b^3\) です。
たての比も \(a:b\)
よこの比も \(a:b\)
高さの比も \(a:b\) なので
体積の比は \(a×a×a:b×b×b\) となるわけです。
もちろん、直方体だけでなく、
あらゆる空間図形で相似な図形ならば、
体積比は相似比の \(3\) 乗の比が成り立ちます。
例題1
下の図の円すい台の体積を求めなさい。
解説
円すい台は、円すいから円すいを切りとった立体です。
つまり、底面の半径 \(5cm\) の円すいから
底面の半径 \(3cm\) の円すいを切り取ってできた円すい台の体積を
求めます。
底面の半径 \(5cm\) の円すいの高さを求めるために
下図の水色の三角形に着目します。
ピラミッド型の相似で、相似比が \(5:3\) なので、
高さの比も \(5:3\) です。
\(2x=3.6(cm)\) なので、
\(5x=9(cm)\)
です。
つまり、 \(2\) つの円すい台は下のようになっています。
大円すいの体積を求めて、
小円すいの体積を求めて、
その差を出せば、それが求める円すい台の体積です。
この方法で答えを求めてもかまいませんが、
\(2\) つの円すいが相似なので、
相似な立体の体積比を用いて円すい台の体積を求めましょう。
相似比が \(5:3\) の立体の体積比は \(5^3:3^3=125:27\)
なので、大きい円すいと、円すい台の体積比は \(125:125-27=125:98\)
となります。
よって、円すい台の体積は、大きい円すいの体積の \(\displaystyle \frac{98}{125}\) で求まります。
\(5^2 \pi ×\displaystyle \frac{1}{3}×9×\displaystyle \frac{98}{125}=\displaystyle \frac{294}{5}\pi\)
と求まります。
答えの値が求まってうれしいのですが、
そんなことより、小さい円すいと円すい台の体積が \(4\) 倍近く違うって驚きませんか?
ちなみに、
ソフトクリームのコーン部分を、ほぼ半分に分けるには、
相似比 \(5:4\) で分けないといけないんです。
この結果は、ちょっとびっくりしませんか?
悪用もできそうですね・・・
※コーン(cone)とは英語で円すいのことです。