相似な三角形の代表選手 ピラミッド と 砂時計
平面図形パズルを解くカギとして、非常によく用いられる重要な要素があります。
それは、三角形の相似を利用した以下の図です。
※「パズルを解くカギとして、非常によく用いられる」と書きましたが、正しくは、
「問題を作成するさいによく利用される」です。
中学数学という非常に限られた範囲内での作問をするとき、どうしてもよく利用されるパターンが存在するのです。
砂時計型
下の図の \(\triangle ABC\) と \(\triangle ADE\) で \(ED /\!/ BC\) のとき、
\(\triangle ABC \backsim \triangle ADE\) が成り立ちます。
平行線の錯角が等しいために、\(2\) つの三角形が相似であることがわかります。
砂時計型という名称は塾業界での通称です。ちょうちょ型などと呼ばれることもあります。
正式名称はありません。当サイト内では「砂時計型」で通します。
相似な \(2\) つの三角形で、同じ色の辺同士が対応する辺です。
対応する辺の比が相似比です。
下図では相似比が \(2:3\) になっています。
※\(6:9=4.2:6.3=5:7.5=2:3\)
ピラミッド型
下の図の \(\triangle ABC\) と \(\triangle ADE\) で \(DE /\!/ BC\) のとき、
\(\triangle ABC \backsim \triangle ADE\) が成り立ちます。
平行線の同位角が等しいために、\(2\) つの三角形が相似であることがわかります。
ピラミッド型という名称も塾業界での通称です。富士山型などと呼ばれることもあります。
正式名称はありません。当サイト内では「ピラミッド型」で通します。
ピラミッド型を扱うさい、\(2\) つの三角形が重なっているために注意が必要です。
慣れるまでは、小さい三角形を横に書き写して、その図を見比べて解くことをお勧めします。
相似な \(2\) つの三角形で、同じ色の辺同士が対応する辺です。
対応する辺の比が相似比です。
下図では相似比が \(4:3\) になっています。
※\(8:6=10:7.5=6.4:4.8=4:3\)
ピラミッド型の重要な線分の比
下の図において、
\(AD:DB=AE:EC\)
が成りたちます。
特別な名前もついていないのですが、
とても重要なのでしっかり覚えておきましょう。
例題1
下の図で、 \(ED /\!/ BC\) のとき、 \(x,y\) の値を求めなさい。
解説
平行線があれば、砂時計やピラミッドの出番です。
\(\triangle ABC \backsim \triangle ADE\)
ですね。
対応する線分、両方の長さがわかる箇所を探します。
\(AB:AD=10:6=5:3\)
相似比は \(5:3\) です。
下図のように、上が \(3\) で下が \(5\) とわかるような比のかきかたは
公式ではありませんが、自分で解くためのメモとしては
とても便利です。
よって、他の対応する 辺の比も \(5:3\) なので
\(12:x=5:3\)
\(7.5:y=5:3\)
が成りたちます。
外項の積と内項の積は等しいので、
\(12:x=5:3\)
からは
\(5x=12×3\)
\(x=7.2\)
と求まります。
\(7.5:y=5:3\)
からは
\(5y=7.5×3\)
\(y=4.5\)
と求まります。
例題2
下の図で、 \(BC /\!/ DE\) のとき、 \(x,y\) の値を求めなさい。
解説
平行線なので、ピラミッド形です。
慣れないうちは、小さい方を横にぬき出して解きましょう。
ミスが格段に減ります。
対応する辺を見て、相似比を求めます。
\(AB:AD=4:3\)
なので、相似比は \(4:3\) です。
よって、\(x:15=4:3\) なので
\(x=20\)
と求まります。
また、 \(y\) ですが、
相似比を活用することで、\(AE=15\) と求め、
\(y=20-15=5\)
と求めることもできますし、
下図の赤と青の線分の比が \(18:6=3:1\)
であることを用いて
\(y=20×\displaystyle \frac{1}{3+1}=5\)
と求めることも可能です。