例題1
次の式を、工夫して計算しなさい。
(1) \(71^2-29^2\)
(2) \(497^2\)
(3) \(8.3×7.7\)
解説
工夫して計算しろ、という指定がついていますが、
一体どのような工夫をすればOKで、どのような工夫ではダメなのか。
まったく数学的ではない、曖昧な問題です。
ですので、このような問題は高校入試では出題されません。
しかし、定期テストで出題されることはあるでしょう。
以下、出題者の意図した解答をお見せします。
解答
(1) \(71^2-29^2\)
\(2\) 乗の差なので、和と差の積にできる!と頭に浮かんで欲しいのです。
\(71^2-29^2\)
\(=(71+29)(71-29)\)
\(=100×42\)
\(=4200\)
(2) \(497^2\)
平方の公式が利用できます。
\(497^2\)
\(=(500-3)^2\)
\(=500^2-2×500×3+(-3)^2\)
\(=250000-3000+9\)
\(=247009\)
(3) \(8.3×7.7\)
和と差の積が利用できます。
\(8.3×7.7\)
\(=(8+0.3)(8-0.3)\)
\(=8^2-0.3^2\)
\(=64-0.09\)
\(=63.91\)
例題2
次の式を、工夫して計算しなさい。
(1) \(112^2-111×113\)
(2) \(345^2-344^2-333^2+332^2\)
(3) \(67×73+45×73+45×27\)
解説
(1) \(112^2-111×113\)
\(112\) と \(111\) と \(113\) が近い数字ですね。
このあたりが変形のポイントになりそうだと感づいてください。
あとは、わかるより先に手を動かしてみるのです。
いきなり正しい解答はわからないが、手を動かして調べる。
その後、わかったら解答をかく。
これは数学においてごく普通のことです。
絵を描く前の下書きのようなものです。
解答例
\(112^2-111×113\)
\(112^2-(112-1)(112+1)\)
\(112^2-(112^2-1)\)
\(=1\)
\(112^2\) や \(111×113\) がいくつになるのか、計算をする必要がなくなりましたね。
うまく消えてくれました。
(2) \(345^2-344^2-333^2+332^2\)
\(2\) 乗の差は、和と差の積、が使えそうな匂いがプンプンしますね。
\(345^2-344^2-333^2+332^2\)
\(=(345^2-344^2)-(333^2-332^2)\)
\(=(345+344)(345-344)-(333+332)(333-332)\)
\(=689×1-(665×1)\)
\(=689-665\)
\(=24\)
(3) \(67×73+45×73+45×27\)
共通な数はくくりたくなりますよね。
いわゆる共通因数でくくる因数分解です。
73でくくると
\(67×73+45×73+45×27\)
\(=(67+45)×73+45×27\)
\(=112×73+45×27\)
ここから先は簡略化できません。
45でくくると
\(67×73+45×73+45×27\)
\(=67×73+45×(73+27)\)
\(=67×73+45×100\)
\(=67×73+4500\)
また、\(67×73\) も和と差の積と見れば
\(67×73+4500\)
\(=(70-3)(70+3)+4500\)
\(=70^2-3^2+4500\)
\(=4900-9+4500\)
\(=9391\)
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