2次方程式の解の個数
2 次方程式を解くと、解は 2 つでてきます。
しかし、解が 1 個しかないときもありましたね。
どんなときに解が 1 つしかでてこないか、
覚えていますか?
解が1つの2次方程式の例
次の 方程式を解きなさい。
x2−6x+9=0
解説
因数分解できますから、それが最速ですね。
x2−6x+9=0
(x−3)2=0
x−3=0
x=3
平方完成すると
ちなみに、この式を平方完成すると、
当然ですが、
(x−3)2=0
になります。
(xの1次式)2=0
となる 2 次方程式は、解が 1 しかないのです。
解が1つの2次方程式をつくる
例題
解を 1 つしか持たない 2 次方程式は無数にあるが、
その 1 つを作りなさい。
解説
(xの1次式)2=0
となる 2 次方程式ならば、解が 1 つしかないのですから、
例えば
(x−4)2=0
これは解を 1 つしか持たない 2 次方程式です。
展開した形にすれば、
x2−8x+16=0
となります。
これは、
(x−4)(x−4)=0
という 2 次方程式なので、
x=4 が 2 重になっています。
ダブっているという状態ですね。
ですのでこのような解を重解といいます。
例題1
2 次方程式 x2+ax+36=0 の解が 1 つだけであるとき、a の値を求めなさい。
ただし a は 0 以上とする。
解説
解が 1 つだけの 2 次方程式なので、
(x±p)2=0
の形です。
これの左辺を展開すれば
x2±2px+p2=0
なので
p2=36
より、
p=±6
よって、求める2 次方程式は
(x+6)2=0
か
(x−6)2=0
のどちらかです。
a が 0 以上となるのは
(x+6)2=0
で、
このときは
x2+12x+36=0
なので、
a=12
です。
例題2
2 次方程式 x2+8x+b=0 の解が 1 つだけであるとき、b の値を求めなさい。
解説
解が 1 つだけの 2 次方程式なので、
(x±p)2=0
の形です。
x2+8x+b=0 を平方完成すれば
(x+4)2=0
となるので
※ x の 1 次の係数から決まります。
(x+4)2=x2+8x+16=0
より、
b=16
参考・解の公式による解の個数の判別
改めて、下の 2 次方程式を解きましょう。
x2−6x+9=0
このページの冒頭で出てきた 2 次方程式です。
解が 1 つしかない具体例として登場しました。
これを、解の公式で解いみましょう。
x=−(−6)±√(−6)2−4×1×92×1
分子のルートの中が 0 になります。
そもそも 2 次方程式の解が 2 つ出てくる要因は、このルートの ± (プラスマイナス)です。
プラスのときの解と、マイナスのときの解が 2 つ。
ここが、±0 となると、解が1つになってしまうわけですね。
ところで・・・
ルートの中が負の数になってしまうような 2 次方程式って
作れますか?
作れますね。
b2−4ac<0
となるような a,b,c を選べばよいのですから、
例えば
a=1
b=1
c=1
で、
x2+x+1=0
という 2 次方程式です。
これの解ってどうなっているのでしょう???
これは高校数学できちんと学習する内容となります。
現段階では「解なし」の 2 次方程式です。
中学生の間、このような 2 次方程式に触れる機会はありません。
テストでも入試でも出てきませんので、あまり深入りいしなくてOKです。
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