例題1
次の数が自然数となるような \(n\) をすべてもとめなさい。
\(\sqrt{30-7n}\)
解説
順に調べていくのみです。
\(\sqrt{A^2}=A\) なので、ルートの中が平方数になるかどうかを調べるのみです。
\(n=1\) のとき
\(\sqrt{30-7×1}=\sqrt{23}\)
これは適さない。
\(n=2\) のとき
\(\sqrt{30-7×2}=\sqrt{16}=4\)
これは適する。
\(n=3\) のとき
\(\sqrt{30-7×3}=\sqrt{9}=3\)
これは適する。
\(n=4\) のとき
\(\sqrt{30-7×4}=\sqrt{2}\)
これは適さない。
\(n \geqq 5\) のときはルートの中が負になるため不適。
よって、求める答えは、\(n=2,3\)
例題2
次の数が自然数となるような \(n\) のうちで、もっとも小さい数をもとめなさい。
\(\sqrt{12n}\)
解説
もちろん \(\sqrt{A^2}=A\) となることを利用します。
つまり、 \(12n\) が平方数になるような \(n\) のうち、もっとも小さい数が答えとなります。
平方根の中を簡略化する方法は習得しましたね?
これを用いて、簡略化しましょう。
\(\sqrt{12n}\)
\(=\sqrt{4×3n}\)
\(=\sqrt{4}×\sqrt{3n}\)
\(=2\sqrt{3n}\)
これが自然数となるためには、当然ですが、\(\sqrt{3n}\) が自然数になればよいです。
\(\sqrt{A^2}=A\) なのですから、
\(\sqrt{3n}\) が自然数になるのは、\(n=3\) のときです。
さらなる考察で理解を深める!
ちなみに、\(\sqrt{3n}\) が自然数になるような \(n\) は無限にあります。
もっとも小さい数は上で見た通りの \(n=3\) ですが、
他はどうなっているのか見ておきましょう。
\(\sqrt{3n}\) が自然数になるのは、
\(\sqrt{3n}=\sqrt{3×3×m^2}\) となるときで、
\(\sqrt{3n}=\sqrt{3×3×m^2}=3m\) となります。
つまり、\(n=3×m^2\) となるときに、 \(\sqrt{12n}=2\sqrt{3n}\) は自然数になります。
よって、
\(n=3×1^2=3\)
\(n=3×2^2=12\)
\(n=3×3^2=27\)
\(n=3×4^2=48\)
のように、無限に続いていきます。
例題3
次の数が自然数となるような \(n\) をすべてもとめなさい。
\(\sqrt{\displaystyle \frac{180}{n}}\)
解説
例題2と同様ですが、簡略化できるときに簡略化するのはあたりまえですよね。
\(\sqrt{\displaystyle \frac{180}{n}}\)
\(=\displaystyle \frac{\sqrt{180}}{\sqrt{n}}\)
\(=\displaystyle \frac{\sqrt{36×5}}{\sqrt{n}}\)
\(=\displaystyle \frac{\sqrt{36}×\sqrt{5}}{\sqrt{n}}\)
\(=\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{\sqrt{n}}\)
さて、これが自然数となるためには、
分子の \(\sqrt{5}\) が約分で消えればよいことがわかります。
よって、\(n=5\) のときが答えであることがわかります。
これで解決!とはいかないことは感づいていますか?
問題文に、「すべてもとめなさい。」とあります。
これは、答えが複数あることを予感させますね。
あらためて、簡略化した式の最後とにらめっこをします。
\(\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{\sqrt{n}}=自然数\)
これが自然数となるのは、
\(\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{\sqrt{5}}=6\)
\(\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{2\sqrt{5}}=3\)
\(\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{3\sqrt{5}}=2\)
\(\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{6\sqrt{5}}=1\)
の4通りです。
つまり、
\(\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{\sqrt{5}}=6\) のとき
\(6=\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{\sqrt{5}}\)
このとき \(n=5\)
\(\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{2\sqrt{5}}=3\) のとき
\(3=\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{2\sqrt{5}}=\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{\sqrt{20}}\)
このとき \(n=20\)
\(\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{3\sqrt{5}}=2\) のとき
\(2=\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{3\sqrt{5}}=\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{\sqrt{45}}\)
このとき \(n=45\)
\(\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{6\sqrt{5}}=1\) のとき
\(1=\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{6\sqrt{5}}=\displaystyle \frac{6\sqrt{5}}{\sqrt{180}}\)
このとき \(n=180\)
より、求める答えは、\(n=5,20,45,180\) です。
別解
最後のところ、\(n=5\) 以外の答えがあることに気づきにくいでしょうか。
上と本質的にはまったく同一の解法ですが、見た目が違うものを紹介します。
\(\sqrt{A^2}=A\) なので、
\(\sqrt{\displaystyle \frac{180}{n}}=\sqrt{A^2}\)
となればよいですね。
つまり \(\displaystyle \frac{180}{n}=A^2\) です。
180を素因数分解してかきなおすと、
\(\displaystyle \frac{180}{n}=\displaystyle \frac{2^2×3^2×5}{n}\)
つまり、分子の \(2^2×3^2×5\) が、約分によって平方数になればよいことがわかります。
以下の4パターンあることになります。
\(5\) で約分
\(5\) で約分。分子に\(2^2×3^2\) が残る。
つまり、 \(n=5\)
\(5×2^2\) で約分
\(5×2^2\) で約分。分子に\(3^2\) が残る。
つまり、 \(n=5×2^2=20\)
\(5×3^2\) で約分
\(5×3^2\) で約分。分子に\(2^2\) が残る。
つまり、 \(n=5×3^2=45\)
\(5×2^2×3^2\)
\(5×2^2×3^2\) で約分。分子に\(1\) が残る。
つまり、 \(n=5×2^2×3^2=180\)
はじめの解法と、どちらが気づきやすいでしょうか?
どちらでもかまいません。
自分がやりやすいほうで解きましょう。
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