中学数学の基本から難問までの問題と分かりやすい解説を掲載した完全無料のオンライン学習ページです。

【中学数学】平方根の大小・簡略化の逆操作

数直線・平方根の大小関係

根号のついた数の大小関係は、以前にも学習したとおりです。

\(a \lt b\) のとき、
\(\sqrt{a} \lt \sqrt{b}\)
\(-\sqrt{b} \lt -\sqrt{a}\)

中学数学・高校受験chu-su- 中3平方根 数直線 大小関係 図2

このように、平方根の中の数値の大小を比べることで、
根号のついた数の大小がわかります。
\(2\sqrt{3}=\sqrt{3×2^2}=\sqrt{12}\)
のように、平方根の簡略化と逆の操作をすることになります。

例題1

次の数の大小を不等号を使って表しなさい。
(1)\(3\sqrt{2},2\sqrt{5}\)

(2)\(-4\sqrt{3},-5\sqrt{2}\)

(3)\(\sqrt{26},5,2\sqrt{6}\)

(4)\(\sqrt{\displaystyle \frac{2}{3}},\displaystyle \frac{2}{\sqrt{3}},\displaystyle \frac{\sqrt{2}}{3}\)

解説

普通は、平方根の簡略として、
√の中の数を小さくするような操作をします。

しかし、その逆の操作をすることが便利なときもあります。
\(\sqrt{a} \lt \sqrt{b}\)
のように大小を比べたいときです。

\(c\sqrt{d}=\sqrt{d×c^2}\)

これを利用します。

(1)\(3\sqrt{2},2\sqrt{5}\)

\(3\sqrt{2}=\sqrt{2×3^2}=\sqrt{18}\)
\(2\sqrt{5}=\sqrt{5×2^2}=\sqrt{20}\)
つまり、
\(\sqrt{18} \lt \sqrt{20}\) なので
\(3\sqrt{2} \lt 2\sqrt{5}\)

(2)\(-4\sqrt{3},-5\sqrt{2}\)

\(-4\sqrt{3}=-\sqrt{3×4^2}=-\sqrt{48}\)
\(-5\sqrt{2}=-\sqrt{2×5^2}=-\sqrt{50}\)
つまり、
\(-\sqrt{50} \lt -\sqrt{48}\) なので
\(-5\sqrt{2} \lt -4\sqrt{3}\)

(3)\(\sqrt{26},5,2\sqrt{6}\)

\(5=\sqrt{5^2}=\sqrt{25}\)
\(2\sqrt{6}=\sqrt{6×2^2}=\sqrt{24}\)
つまり、
\(\sqrt{24} \lt \sqrt{25} \lt \sqrt{26}\) なので
\(2\sqrt{6} \lt 5 \lt \sqrt{26}\)

(4)\(\sqrt{\displaystyle \frac{2}{3}},\displaystyle \frac{2}{\sqrt{3}},\displaystyle \frac{\sqrt{2}}{3}\)

分母を有理化して、分子での大小比較をしましょう。
\(\sqrt{\displaystyle \frac{2}{3}}\)

\(=\displaystyle \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{3}}\)

\(=\displaystyle \frac{\sqrt{2×3}}{\sqrt{3×3}}\)

\(=\displaystyle \frac{\sqrt{6}}{3}\)

\(\displaystyle \frac{2}{\sqrt{3}}\)
\(=\displaystyle \frac{2×\sqrt{3}}{\sqrt{3}×\sqrt{3}}\)
\(=\displaystyle \frac{\sqrt{3×2^2}}{3}\)
\(=\displaystyle \frac{\sqrt{12}}{3}\)

\(3\) つの数の分子の大小関係、\(2 \lt 6 \lt 12\) より、
\(\displaystyle \frac{\sqrt{2}}{3} \lt \displaystyle \frac{\sqrt{6}}{3} \lt \displaystyle \frac{\sqrt{12}}{3}\) なので

\(\displaystyle \frac{\sqrt{2}}{3} \lt \sqrt{\displaystyle \frac{2}{3}} \lt \displaystyle \frac{2}{\sqrt{3}}\)

例題2

次の条件にあてはまる整数を求めなさい。
\(\sqrt{30}\) より大きく、\(\sqrt{90}\) より小さい整数をすべて求めなさい。

解説

整数 \(A\) は \(A=\sqrt{A^2}\) と表されることを用います。

つまり、\(30\) より大きく \(90\) より小さい平方数を探します。

この条件にあう平方数は、\(36,49,64,81\) があります。
つまり、
\(\sqrt{30} \lt \sqrt{36}=6 \lt \sqrt{90}\)
\(\sqrt{30} \lt \sqrt{49}=7 \lt \sqrt{90}\)
\(\sqrt{30} \lt \sqrt{64}=8 \lt \sqrt{90}\)
\(\sqrt{30} \lt \sqrt{81}=9 \lt \sqrt{90}\)

よって
求める整数は、\(6,7,8,9\) となります。

スポンサーリンク





  • 次のページ \(\sqrt{n}\) が整数となるような \(n\)
  • 前のページ 平方根の値の簡略化
    • Facebook
    • Hatena
    • twitter
    • Google+

    中学3年数学の解説







    Copyright©中学数学の無料オンライン学習サイトchu-su- All Rights Reserved.