負の数を足す、引く
次に、負の数を足したり、引いたりします。
まず、結論というか、計算のルールを先にかきますと、
\(5+(-3)=5-3\)
\(5-(-3)=5+3\)
つまり、
\(-3\) を足すことは、\(3\) を引くことに等しい。
\(-3\) を引くことは、\(3\) を足すことに等しい。
負の数を正の数にかえて、( )の前についている演算記号を逆(+は-、-は+)にします。
負の数は逆向きの数、というイメージとピッタリの計算ルールじゃないでしょうか。
計算ルールを体得せよ!
上の計算ルールについての学習ですが
- なぜ、このようなルールなのか知る
- とにかく計算ルールを覚えて、スラスラ計算ができるように実践する
の2方向の学習があります。
初学者にとって重要なのは、2です。
とにかく計算ルールを覚えて、スラスラ計算ができるように実践しましょう。
1の「なぜ、このようなルールなのか知る」についてですが、
なんとなく納得、程度の理解でOKです。
実際に計算をするさいは、いちいち計算ルールの意味を考えていては遅いのです。
負の数についたかっこ()をはずすことは、これから先、頻繁に出会うことになります。
機械的に、ただの計算ルールと割り切って、何も考えずにスラスラと行う。
これが目指すべき目標なので、計算ルールとして覚えてしまうことに何の問題もありません。
では、くわしく見ていきましょう。
正の数+負の数
まずは、「負の数を足す」からです。
正 + 負
\(4+(-1)=\)
負の数は、上のようにかっこで囲みます。
囲まないと
\(4+-1=\)
のような表記になります。
+- が連続していて見にくい、
という理由で、負の数にはかっこをつけます。
さて、
\(4+(-1)=\)
ですが、
よん 足す マイナスいち と読みましょう。
負の数(-1)を足す計算です。
4円と、借金1円が足し合わされば・・・実質、\(4-1=3\)(円)持っているとわかりますね。
\(4+(-1)=3\)
となります。
つまり
-1を足すということは、1を引くことに等しい
ということです。
\(4+(-1)\)
\(=4-1\)
\(=3\)
負の数を足すことは、正の数を引くことに等しい。
いかがですか。
感覚的にあたりまえと思えるようになるまで練習をしましょう。
この負の数の( )の外し方、理屈や感覚であたりまえって思えるべきですが、
何はともあれ、計算ルールとして覚えてしまってください。
負の数の( )の前についている演算記号の+は-にかえて、(- )をはずせばよい。
つまり、\(+(-a)\) は \(-a\) に変えよ、ということです。
負の数の( )の前についている演算記号を逆にかえて( )をはずせ!と覚えましょう。
これは実は、負の数のかけ算の計算ルールと共通の仕組みになっています。
+ と - の積は - なのです。
- は、真逆の性質をもっていて、正負を入れかえるのです。
あらためてかけ算のページで学習するので、頭の片隅にいれておいてください。
負の数と( )
負の数を( )で囲むのは、上で見たように、記号が連続して見にくいときです。
それ以外のときは( )で囲むことはしません。
例えば
\(1-4=-3\)
この計算結果の \(-3\) を、\((-3)\) と表記することはしません。
式の先頭に負の数があるときは、
- \((-2)+5=3\)
- \(-2+5=3\)
どちらの表記でも構いませんが、普通は( )を使いません。
主に学習初期にでてくるのみです。
例題
次の計算をしなさい。
① \(2+(-5)\)
② \(-1+(-2)\)
③ \((-3)+(-1)\)
解答
① \(-3\)
\(2+(-5)=2-5\)
と負の数についた ( ) をはずします。
その後は数直線を右に、左にですね。
\(2-5=-3\)
です。
② \(-3\)
\(-1+(-2)=-1-2\)
と負の数についた ( ) をはずします。
\(-1-2=-3\)
です。
③ \(-4\)
\((-3)+(-1)=-3-1\)
と負の数についた ( ) をはずします。
\(-3-1=-4\)
です。
正の数-負の数
次に、「負の数を引く」です。
下の例で考えてみましょう。
\(3-(-2)=\)
さん 引く マイナスに と読みましょう。
-2を引くということは、
-2を取り除くということであり、
例えるなら、-2円という借金がなくなるようなものですから、
実質2円増えることなります。
つまり
\(3-(-2)\)
\(=3+2\)
\(=5\)
-2を引くことは、+2を足すのと同じ
負の数を引くことは、正の数を足すことと同じ なのです。
これが感覚的にわかる生徒も多いようですが・・・
わかる方はそれでOKです。
その感覚に従って計算練習を積んでください。
わからない、納得できないという場合は
まずは計算の規則として認める、覚える。
これでOKです。
なぜなのか考えることはもちろん大事ですが、綺麗ごとばかり言っていてもはじまりません。
とにかくテストで点が取れるようになることは大事なことです。
それに演習を重ねていくうちにわかってくる、ということはよくあることです。
ですから、たくさん練習をして慣れていきましょう。
負の数の( )の前についている演算記号の-は+にかえて、(- )をはずせばよい。
つまり、\(-(-a)\) は \(+a\) に変えよ、ということです。
負の数の( )の前についている演算記号を逆にかえて( )をはずせ!と覚えましょう。
※念のため、さっきと同じルールです。
これは実は、負の数のかけ算の計算ルールと共通の仕組みになっています。
- と - の積は + なのです。
- は、真逆の性質をもっていて、正負を入れかえるのです。
あらためてかけ算のページで学習するので、頭の片隅にいれておいてください。
例題
次の計算をしなさい。
① \(4-(-3)\)
② \(-5-(-2)\)
③ \((-2)-(-6)\)
解答
① \(7\)
\(4-(-3)=4+3\)
と負の数についた ( ) をはずします。
\(4-(-3)=4+3=7\)
です。
② \(-3\)
\(-5-(-2)=-5+2=-3\)
③ \(4\)
\((-2)-(-6)=-2+6=4\)
それでも、どうしも、腑に落ちない・・・
どうして-2を引くことは、+2を足すのと同じなのか・・・
このような人は、以下の説明を読んでください。
なぜなぜ?負の数の引き算
3円の現金と、2円の借金の証明書がある。
今いくらもっているのか、を数式で表すと
\(3+(-2)=\)
となりますね。
もちろん計算結果は
\(3+(-2)=1\)
いま実質1円もっていることになります。
次に、お金を貸していた人が
「2円の借金、返さなくてもいいよ、なしでいい」
と言いました。
これを数式にするとどうなりますか?
\(3+(-2)-(-2)=\)
ですね。
もちろん手元に残るのは3円の現金なので、
\(3+(-2)-(-2)=3\)
です。
これは、
1円もっていた人が、2円の借金がなくなったら、手持ちの金額が2円増えたことを意味していますね。
\(1-(-2)=3\)
ですね。
2円の借金の証明書が手元からなくなる=(-2)が取り除かれる=2円増えることになる。
つまり、
負の数を引くとは、借金が取り除かれる(チャラになる)ようなもの
チャラになった分だけ、所持金は増えるわけです。
まとめ
例
10+(-4)=10-4
-4(マイナスよん)を足すことは、+4(プラスよん)を引くことに等しい。
10-(-3)=10+3
-3(マイナスさん)を引くことは、+3(プラスさん)を足すことに等しい。
つまり、負の数の( )の前についている演算記号を逆(+は-、-は+)にかえて、( )をはずせばよいというわけです。