文字式のルールまとめ
- \(×\)(かける)は省略する
- 文字と数字の積では、数字を文字の前にかく
- \(1\) と文字との積では \(1\) を省略する
- ÷ はかかない、分数で表現する
- 同じ文字の積は指数を使う
- ( )も文字のように扱う
- +と-は消さない
文字式のルール
文字式とは何か
太郎くんはアンパンを \(3\) 個買ってくるようにとお母さんにお使いを頼まれた。
いざパン屋さんに来てみると、アンパンはあったのだが、値段の表示がされていない。
はたして \(1\) 個いくらなのだろうか・・・?
このように、数値(量)がきまらない状態を、\(x\) などの文字を使って表します。
小学生のときには□(四角)で表記されていたものです。
\(x\) (円)のアンパンを \(3\) 個買うときの代金は
\( x×3\) (円)
ですね。
数学において、文字と数とのかけ算の×(かける)の記号は省略します。
\( x×3=3x \) (円)
と表記し、”さんエックス”と読みます。
この×(かける)を省略する表記には、とにかく慣れるしかない、と言えます。
ルール1 ×(かける)は省略する
ルール2 数字は文字の前にかく
※文字の前につく数字を「係数」といいます。
さて、太郎くんは突然我にかえった・・・あれ、アンパン何個買うんだっけ・・・??
あれれ、個数もわからなくなってしまいました。
数学では、数値(量)がきまらない状態に文字を用います。
\(x\) (円)のアンパンを\(y\) 個買うときの代金は
\( x×y=xy\) (円)
×(かける)は省略して文字を並べて表現します。
\(yx\) とかいても間違いではありませんが、普通はアルファベット順に書きます。
文字式のその他のルール
文字を用いた式、文字式には表記のルールがあります。
どんどん具体例を見て習得しましょう!!
以下では、単位についての考察はしません。
ルール3 1と文字との積では1を省略する
\(a×(-1)×b=-ab\)
ここで注意すべきことは、\(-1ab\) とはかかないということです。
\(1\) は省略します。
先ほども、\(1xy\) とはかかずに \(xy\) とかいています。
当然 \(1xy=xy\) なのですが、
\(1\) は省略します。
\(1\) に何をかけても値は変わらないので、かけ算の \(1\) は省略します。
また、文字は \(xyz\) がよく使われますが、\(abc\)・・・ もよく使われます。
どの文字でもよいのです。
分数にする
ルール4 ÷はかかない、分数で表現する
ルール5 同じ文字の積は指数を使う
\(x×x÷3=\)\(\frac{x^2}{3} \)
÷という記号は使わずに、最終的な解答は分数にします。
また、同じ文字のかけあわせには、累乗を使います。
また、分子に文字があるときの表記ですが、
\(\frac{x^2}{3} \) でもよいし、\(\frac{1}{3}\)\(x^2\) でもよいです。
ルール6 ( )も文字のように扱う
( )を一かたまりの文字のように扱います。
\(6×(x+2y)\)
\(=6(x+2y)\)
\(a×(b-4)\)
\(=a(b-4)\)
\((x+3)×(-1)\)
\(=-(x+3)\)
\((x+y)×(x+y)\)
\(=(x+y)^2\)
ルール7 +と-は消さない
\(3x×x+y÷4\)
\(=3x^2+\)\(\frac{y}{4}\)
+と-は消しません。
以前にも学習したこととつながりますが、
かけ算(わり算)は一かたまりの値です(重要!)。
つまり、この式は、\(2\) つの異なる種類のものの和ですよという意識で見るようにしましょう。
まとめられるものをまとめてから、最後にそれらを足したり引いたりする。
数式はこのような構造になっています。
例題1
次の式を文字式の表し方のきまりにしたがって書きなさい。
① \(b×a×(-1)\)
② \(-a×(-2)×3a\)
③ \(6a÷7\)
④ \(3÷b÷a\)
⑤ \(3×a+5\)
⑥ \((a-b)×(-1)\)
⑦ \(12÷\displaystyle \frac{6}{5}x\)
解答
① \(b×a×(-1)=-ab\) ・・・係数の \(1\) は省略、アルファベット順
② \(-a×(-2)×3a=6a^2\)
③ \(6a÷7=\displaystyle \frac{6}{7}a\) ・・・\(\displaystyle \frac{6a}{7}\) でもOK
④ \(3÷b÷a=\displaystyle \frac{3}{ab}\) ・・・割り算は逆数のかけ算!
⑤ \(3×a+5=3a+5\)
⑥ \((a-b)×(-1)=-(a-b)\) ・・・( )は\(1\) かたまりで文字のように扱う。\(1\) は省略。
⑦ \(12÷\displaystyle \frac{6}{5}x\)
\(=\displaystyle \frac{10}{x}\)
\(\displaystyle \frac{6}{5}x\) は \(\displaystyle \frac{6x}{5}\) のことなので、
その逆数は、\(\displaystyle \frac{5}{6x}\) です。
例題2
次の式を、\(×\) や \(÷\) の記号を使って表しなさい。
① \(\displaystyle \frac{7}{3a}\)
② \(-a^2\)
③ \(\displaystyle \frac{a+b}{6}\)
解答
① \(\displaystyle \frac{7}{3a}=7÷3÷a\) ・・・\(7÷3×a\) という間違いが多いです!注意!
② \(-a^2=-a×a\)
③ \(\displaystyle \frac{a+b}{6}=(a+b)÷6\)
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