例題1
連続する \(2\) つの奇数の和は、\(4\) の倍数になることを説明しなさい。
解説
連続する2つの奇数とは
連続する \(2\) つの奇数とは下のようなものです。
\(1\) と \(3\)
\(3\) と \(5\)
\(5\) と \(7\)
など、
\(99\) と \(101\)
でもOKです。
つまり、\(1,3,5,7,\)・・・と続く奇数の列の、\(2\) つ連続した数という意味です。
上で示した \(4\) 組の和はいずれも \(4\) の倍数になっています。確かに成立しています。
しかし、連続する \(2\) つの奇数の組は無限にあるので、具体例で示していくのではありません。
以前にも見たように、文字式で説明をするのです。
連続する2つの奇数を文字式で表す
「奇数」という無限の数を表す総称は、\(n\) を整数として、\(2n+1\) となります。
連続する \(2\) つの奇数とは上でみたように差が \(2\) の奇数 \(2\) つですから、
\(2n+1\) 、\(2n+3\) となります。
4の倍数になることを示す
連続する \(2\) つの奇数を足してみましょう。
\((2n+1)+(2n+3)=4n+4\)
\(4\) が \(2\) か所にでてきて、 \(4\) の倍数って感じがしますね。
しかし、これが \(4\) の倍数であることを示すには、きちんとしたルールに則ります。
そもそも「 \(4\) の倍数」ってどういう意味だったでしょうか。
\(4\) の倍数とは「 \(4\) ×整数」という意味ですから、
\(4n+4\) が 「\(4\) ×整数」になっていることを
誰が見ても明らかな形に式変形をします。
当然
\(4n+4=4(n+1)\)
ですね。
\(n+1\) が整数であることもきちんと明言します。またその根拠もかかないといけません。
その根拠は \(n\) が整数だから、という非常に簡潔なもので十分です。
上で見てきたことを、まとめると以下のような模範解答例となります。
模範解答例
\(n\) を整数として、連続する \(2\) つの奇数は、\(2n+1\) 、\(2n+3\) となります。
連続する \(2\) つの奇数の和は
\((2n+1)+(2n+3)=4n+4\)
\(4n+4=4(n+1)\)
\(n\) が整数なので、\(n+1\) が整数であり、\(4(n+1)\) は \(4\) の倍数です。
よって、連続する \(2\) つの奇数の和は \(4\) の倍数になります。(証明終了)
数学のこのような説明(証明)は、まずは一回型にはまるのが大事です。
型です。柔道とか、ピアノとか、なんにでもある基本の型です。
例題2
偶数と奇数の和は奇数になることを説明しなさい。
解説
まずは以下の解答例を読んでみてください。
よくある間違い解答例
\(n\) を整数すると、偶数は \(2n\) 、奇数は\(2n+1\) とあらわせる。
\(2n+2n+1=4n+1\)
\(=2×2n+1\)
\(n\) が整数なので、\(2n\) が整数であり、\(2×2n+1\) は奇数です。
よって、偶数と奇数の和は奇数になる。
いかがでしょう。
一見 \(100\) 点満点の答案ですが、重大な間違いがあったことに気付けましたか?
間違っている箇所
どこが間違っているのか。
それは、
\(n\) を整数すると、偶数は \(2n\) 、奇数は\(2n+1\) とあらわせる。
です。
これでは、「偶数と、それより1大きい奇数」になってしまっています。
つまり、上で説明したことは
\(4+5=奇数\)
\(37+38=奇数\)
\(99+100=奇数\)
のような、限定した \(2\) つの数の組のときだけです。
この問題は、
\(2+99\) や \(2+543\) や \(100+5\) とか、
あらゆる偶数+奇数について説明を求めているのです。
ではどのように解答をかけばいいのか。
以下のようになります。
模範解答例
\(n\) 、\(m\) を整数すると、偶数は \(2n\) 、奇数は\(2m+1\) とあらわせる。
\(2n+2m+1=2(n+m)+1\)
\(n\) 、\(m\) が整数なので、\((n+m)\) が整数であり、\(2(n+m)+1\) は奇数です。
よって、偶数と奇数の和は奇数になる。
(証明終了)
答えを知ってみればあっけないですね。
どのように書けばOKなのか。
何も知らない状態で論理的に導くというよりも、型をとにかく一度知ってしまえ!
という要素が強いと言えるでしょう。
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