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なぜ負×負=正なのか・その2

負の数は、正の数と向きが逆である

中学数学における第一のハードル。

負の数 × 負の数 は正の数になる!!

なぜ?
どういう意味?

とこだわると、かなり難しく、つまづきやすい箇所です。

このなぜ?
について説明をします。

最も大切なこととして、
「負の数は、正の数と向きが逆である」
という事実を改めて確認しておきましょう。

すると、
裏の裏は表だから、
負の数 × 負の数 は正
って、なんとなくOKな感じしませんか?

この程度の理解で済ませてもらっていいのですが、
気になる人はもう少し詳しく見ていきましょう。

速さによる説明

速さ × 時間 = 距離
これを用いて、負の数のかけ算に関して考察してみましょう。

スタート地点を原点とします。
数直線で右方向を正の方向、左方向を負の方向とします。

時速 \(2km\) で \(3\) 時間すすむ

時速 \(2km\) で \(3\) 時間進むときの距離を \(Lkm\) とすると
\(2×3=L\)
となります。


\(L=2×3=6\)\(km\)進みます。
もちろん正の方向に進んでいます。

時速 \(-2km\) で \(3\) 時間すすむ

 
次に、時速 \(-2km\)で \(3\) 時間進みましょう。
その距離を \(Lkm\) とします。
\((-2)×3=L\)
となります。

時速 \(-2km\) とは、負の方向(左)に時速 \(2km\) で進む速さです。


負の方向に \(6km\) 進みます。
\(L=(-2)×3=-6\)\(km\)
であることがわかりますね。

時速 \(2km\) で \(-3\) 時間すすむ

次に時速 \(2km\) で \(-3\) 時間進みましょう。
その距離を \(Lkm\) とします。
\(2×(-3)=L\)
となります。

\(-3\) 時間進むとは、\(3\) 時間戻ることです。
つまり \(3\) 時間前にビデオを逆回しにすることですね。


\(3\) 時間前には、\(6km\) 手前にいたことが分かります。
負の方向に \(6km\) 進みます。
\(L=2×(-3)=-6\)\(km\)
がわかります。

時速 \(-2km\) で \(-3\) 時間すすむ

最後に時速 \(-2km\) で \(-3\) 時間進みましょう。
その距離を \(Lkm\) とします。
\((-2)×(-3)=L\)
となります。

負の方向に時速 \(2km\) 進むものが、\(3\) 時間前にどこにいたのか。


\(L=(-2)×(-3)=6\)
がわかりますね。

以上、
正×負=負
負×正=負
負×負=正
が確かめられました!!

ちなみに、この説明は数学的な厳密さから言うと、完璧な説明とは言えません。
しかし、数学的に厳密な説明を読めば理解が進むか、と言えば、
決してそんなことはありません。
なんとなく「これでうまくいく気がする」
程度の理解でOKです。


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